ミントの修理が終わったと聞いて、ひとまず全員休息。
　翌朝、一番始めに目覚めたのはやはりショウだった。
マトイ　　「ダイモン！　いつまで寝てんだよ！」
ダイモン　「ふあ？　あ、マトイ兄さん、もうマトイ風カレーいらないよ〜」
マトイ　　「寝言、言ってる場合かっ！」
　ゲシッ！！　マトイの蹴りが一発入る。
ダイモン　「あ痛てぇぇっ！！　ハッ、あれ？」
マトイ　　「・・・ったく。・・・いいぞ、ナガレ。もう始めてくれ」
ナガレ　　「わかった」
ダイモン　「何、何〜？　何が始まるの？」
マツリ　　「もぉ〜、まだ寝ぼけてるの？　ＮＥＷミントの登場でしょ！
　　　　　 しっかりしてよ〜」
ショウ　　「・・・・」
ナガレ　　「さあ、ミント。みんなに自己紹介だ」
　ナガレが奥に向かって声をかけると、ミントはゆっくり巽兄弟の前に
　姿を現した。その姿形は以前とは変わりない。しかし・・・
ミント　　「初めまして。今日からゴーゴーファイブのサポート役
　　　　　　として任命されましたミント・バージョン・ゼロです」
　その声は、ダイモンの眠気もすっかりなくなるほどのまったく温かみの
　ないものだった。
ダイモン　「全然・・・違うね」
マトイ　　「でも、治ってよかったな、ミント。心配したぜ」
ミント　　「・・・巽マトイ、言っている意味が理解できません」
マトイ　　「なっ・・・」
ナガレ　　「無理もない。ミントは自分が壊れたデータなんか持っていない。
　　　　　　今のミントは言わば赤ん坊と同じなんだ」
マツリ　　「じゃあ、私達の事は？」
ミント　　「ゴーゴーファイブのデータなら、すべて私の中にあります。
　　　　　　貴方は長女、巽マツリ・ゴーピンク。性別は女性。
　　　　　　元国立臨海病院の救急救命士。
　　　　　　純粋な心の持ち主で、勇気も人一倍兼ね備えている」
ダイモン　「僕は、僕は？」
ミント　　「貴方は四男、巽ダイモン・ゴーイエロー。男性。元首都
　　　　　　警察警官。イエローの時は敵に一直線に立ち向かう」
ダイモン　「うんうん♪」
ミント　　「が・・普段は甘ったれで、意地っ張りで、面倒を起こす」
ダイモン　「ゲッ！　なんだよ、それ〜。ナガレ兄さん、ミントの
　　　　　　データ変だよ〜」
ナガレ　　「そうか？」
マトイ　　「じゃあ、俺は？」
ミント　　「貴方は長男、巽マトイ・ゴーレッド。男性。元首都消防局
　　　　　　レスキュー隊員。どんな戦いも最後まであきらめずに立ち向かう
　　　　　　戦力バランス抜群の戦士」
マトイ　　「うんうん♪」
ミント　　「だが、いつもはお調子者で、明日のことしか考えず、何でも
　　　　　　気合いで乗り切れると信じ込んでいる頼りがいに欠けるリーダー」
マトイ　　「なっ、なにぃぃぃぃ！！！　ナガレ！　このミント絶対変だぞ！！
　　　　　　よぉ〜し、ここは斜め４５度の角度でぇ・・・」
ダイモン　「ふふっ、当たらずも遠からず・・・なんじゃない？」
マトイ　　「なんだと、ダイモン〜！！」
　ぐわしっ！！　ダイモンをベッドロックするマトイ。
ダイモン「わぁぁあぁぁ〜、冗談だよ〜」

ショウ　　「・・・ミント、俺のことは？」

　ショウの静かな問いに、研究所に沈黙が宿る。ミントは答えた・・・。
ミント　　「貴方は、三男、巽・・・巽・・・ショウ・・・ゴーグリーン。
　　　　　　男性。元首都消防局航空隊ヘリコプター部隊隊員。
　　　　　　空中攻撃を得意とした戦士。人一倍仲間を大事にし・・・」
ショウ　　「ミント？」
　データ通りに喋り続けていたミントだったが、ここにきて何か
　様子がおかしい。
ミント　　「仲間のためなら・・・？・・・ナガレ」
ナガレ　　「どうした？」
ミント　　「巽ショウのデータにバグがあるようです。調べてください」
ナガレ　　「バグ？　そんなはずは・・・」
ショウ　　「ミントっ！！　もしかして・・・俺のこと・・・」
ミント　　「申し訳ございません。すぐにデータの確認を・・・」
ショウ　　「俺だよ、ミント！　わかるだろ！？　昨日、ミントは俺のことを
　　　　　　守ってくれただろ？　それで俺のためにお前は壊れて・・・」
ミント　　「私が壊れる？　そのようなデータは私の中にありま・・・」
ショウ　　「あるはずなんだっ！！　お前ミントだろ！　俺達ずっと、
　　　　　　サイマと戦ってきた仲間だろ！？　思い出せよ、ミント！！」
マツリ　　「ショウ兄ちゃん・・・」

ミント　　「仲間・・・？」

マトイ　　「そうだぜ、ミント。俺達はずっと一緒にいたんだ」
ダイモン　「うん。いつも助けられてるよね」
ミント　　「・・・。！！　緊急通報！！　サイマ出現！！」
マトイ　　「なにっ！！」
ミント　　「場所は心都区東Ａ−３ポイント。
　　　　　　直ちにゴーゴーファイブ出場願いますっ！！」
ナガレ　　「・・こんな大事なときに・・・」
マトイ　　「仕方ねぇ、行くぞ、みんなっ！！」
　突然のミントの通報に、仕方なく現場に向かった５人。
　残されたミントは、彼らのセリフを分析してみるが、
　答えが見つからず困惑する。
ミント　　「（データにはない・・・この感じはなんなのだ）」
　そんなミントの側には、いつしかモンドの姿があった・・・。
モンド　　「あいつらの戦いをよく見るんだ。お前の仲間達の戦いをな・・・」